高齢者や脳卒中の患者様を対象にした自動車運転再開支援

昨今、高齢者による自動車の運転事故が新聞やテレビなどのメディアにて取り上げられることが増えています。また和歌山県において、自動車の運転は生活上欠かせないものです。当院では、2018年よりドライビングシミュレーターを導入。高齢者や脳卒中患者様を対象に安全に運転を再開できるかの判断や訓練をリハビリの一環として、自動車運転再開支援に力を入れています。

ドライビングシミュレーター
ドライビングシミュレーター

ドライビングシミュレーターは、模擬運転台とディスプレイによるリアルな擬似運転操作が可能な装置です。作業療法士のサポートのもと、画面上にさまざまなシチュエーションの運転環境を再現するプログラムを使用して、アクセル・ブレーキ、ハンドル操作を実践します。

通行する町並みのパターン、危険度予測のレベルや天候などが変更可能で、運転者の反応の速度や正確性、集中力や判断力、危険予測能力などの評価・訓練ができます。

ドライビングシミュレーター
ドライビングシミュレーター
ドライビングシミュレーター
ドライビングシミュレーター

さらに、自動車教習所の協力により、実車を使った技能訓練・評価も実施。机上検査だけでは判断しにくい運転能力について、ドライビングシミュレーターと実技を組み合わせた複合的な支援・評価が可能になりました。

これらの評価や医師の診断結果を元に、運転免許センターで適性検査による運転可否が判断された後、自動車運転再開となります。

和歌山県内でも、ここまでの連携による自動車運転再開支援は珍しいといわれています。

当院では、今後も関係機関・外部機関の連携や最新鋭の機器の導入をはじめとしたサポート体制の充実を図りながら、患者様の社会復帰と生活の自立を目指してまいります。

作業療法士
作業療法士